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地図・コンパスを使いこなす

人を連れて行ったり、グループのリーダーをすることが多くなる中上級者に必要な登り方として、読図しながら未知のコースを安全に進む能力が必要です。それには地図・コンパスを使いこなさないといけません。

 

 

読図の必要性

 

1.コース全体を理解しプランを立案する

登山口をどこにして下山口をどこに持ってくるか、またコース取りはどうするかなど最初の計画時点で必要となります。

 

2.登山中の現在位置を確認できる

現在位置を確認する事は、道に迷わないためにも必要。現在地が不明と言うことは、遭難の第一歩となります。

 

3.登山道の先を予測をする

目的地までの時間や疲労度、登山道の危険個所等を予想して今後の進路の参考にします。予想ができれば心に余裕ができて安全に登山ができ、疲労度も軽減されます。

特に、天候の急変等で事態がひっ迫して、前進するか後退するか判断する時は、先の予測の材料が無いと判断がつきません。

 

4.景色を楽しむ

地図が読めると(見るとは言わず、読めると表現します)、どの山が何で、あの川が何と言うように景色を楽しめます。地図と写真を一緒にファイリングしておけば覚えやすいし、今後の参考になります。

地図の記号を理解する

 

 ①   --------------   徒歩道をあらわす道路記号 幅員1.5m以下の道(昔の道で消失した個所が多く、正しくないことがある)

 

 ②            送電線(目標としてよいものをあらわしているため、視界の利かないときも判りやすい)

 

 ③            三角点(山頂にあるとは限らない。標高が右側に書いてあることが多い)

 

 ④            神社(登山口などの集落によくある)

 

 ⑤            電波塔(山を見分けるのに便利で、遠くからもわかる)

 

 ⑥            噴火口・墳気口(山を見分けるのに便利)

 

 

 ⑦                          がけ(土・岩)や岩(危険個所や現在位置、見晴らしのよさがわかる)

 

 

 

 ⑧                          川・涸れ川(現在位置の確認や地形の掌握に使う)

 

 

 

 ⑨                          砂防ダム・ダム(現在地や正確な登山道を見分けることができる)

 

 

 

 ⑩                           凹地(地表の限られた部分だけがへこんでいる地形をあらわす。特殊地形なので

                                 覚えておくと便利)

 

 

 

 ⑪                           植生(土地の使われ方や植物の種類などをあらわす)

      

広葉樹

針葉樹

荒地

等高線を理解する

 

等高線について

         は10m間隔の等しい高さを結んでいる。

         は50m間隔の等しい高さを結んでいる。

 

性質

① 間隔が狭いと急な傾斜で、広いとゆるい傾斜

② 急に折れ曲がっていると、ヤセ尾根か深い谷

③ 同心円状の時は富士山のような円錐状の山(由布岳も当てはまる)か火口

④ 等高線のくびれで谷の分岐や尾根の分れがわかる

⑤ 線が、分かれたり交差する事は絶対にない。必ずくるっと回ってどこかでつながる

 

等高線と様々な線を理解する

県境 ― ・ ― (太い)   町村境 ― ・・ ― (細い)   植生の範囲 ・・・・・・ (細い)

線が何を表してるかを見分ける事が最初は必要です。

コンパスを使いこなす

 

コンパス(磁石)は地球の磁気によって赤のN極が北(0度)で白のS極が南(180度)を表します。

リングには分度器(1メモリが2度)があり角度を測るのに使います。そこは回すことができます。

縦横のメモリにはそれぞれの縮尺の実際の距離が書いてあり、中にある縦線は外側と平行線で、線を引いたり磁北線に合わせるときに使います。ケースは透明で地図の上に置いて利用できます。

 

地図にコンパスを置き、磁北線を使って地図の上(北)をコンパス方位の北に合わせると、実際の地形と地図が方向的に一致します。これを地図を正対させると言います。読図の基本ですので必ずしましょう。

もし、現在位置が判る時は、見える山と地図上の山の方向が一致するはずです。また、今後の進行方向もわかるはずです。

 

 気象を読む

天候の変化は遭難や事故に直結するため登山者には必要な知識です。

天気予報でよく聞く、「晴れ時々曇り所によっては雨が降るでしょう」これでは、山では晴れなのか雨なのさっぱりわかりません。この天気予報を参考にして山に登る人はいないと思います。

 

低気圧と前線

 

周りより気圧の低いところが低気圧です。低気圧中心付近には周囲から風が吹き込んでくる(地球の自転により真っ直ぐでなく渦巻き状に吹き込んでくる)ため、 いわば空気が定員オーバーの状態になり、行く所が無いので上昇していくことになります。しかし、中心付近はまだカワイイ方で、低気圧は周辺部のほぼ決まった位 置に「前線」というものを作る素質を持っていて、これがかなりの複雑でやっかいな悪天を生むことになります。

日本付近では「北風は冷たい」「南風は暖かい」と相場が決まっています。空気を吸い込む低気圧周辺は暖かい空気と冷たい空気の出会いの場となっていて、お互いに勢力を広げてぶつかっても、まず、素直に混ざり 合うということはありません。暖かい空気は冷たい空気より軽いため、暖かい空気は上に(この時雲ができる)、冷たい空気は下にいきます。そして、今まさに牽制し合いな がら均衡を保っている現場が、その名の通り「前線」と考えることができます。この両側では気温、水蒸気の量などまったく別世界であり、前線が通過すると突然 寒くなったりするのはこのためです。

巻雲・巻積雲

高層雲など

積乱雲など

暖かい空気

冷たい空気

温暖前線=暖かい空気の勢いが強くて東北方向に動くが遅い

積乱雲など

暖かい空気

冷たい空気

 寒冷前線=冷たい空気の勢いが強く南東方向に動く

低気圧は反時計回りで風が吹いているので、温暖前線は南風の吹く低気圧の進行方向前方に、寒冷前線は北風の吹く後方にできます(上の図参照)。低気圧の進行方向は必ず北から東の間であり、温暖前線はその時よくても、いずれ寒冷前線→積乱雲→強雨・雷→寒気になると覚えておいてください。停滞前線は、双方同じ勢いのため上下するが動きは少ない。

台風

 

秋山で一番厄介なのが台風です。

しかし、台風に関する予報はあまり正確でないため、少し先の台風の動向は殆ど予想不可能になります。したがって予報はコロコロ変わることになります。そこで、頻繁に情報を得ることが重要となりますが、山ではそれができないので、台風が通過しそうな山へは行かない方がいいです

 

進行速度と台風内の風速の関係で、台風は進路の右半円で風が強く、左半円では弱めとなります。台風は同心円状に発達してるので、風の方向で現在位置の予測をつけることができます。

 

 

登山中に一番合いたくないものです。積乱雲の電極の差が放電して起き、地上(アース)との放電が落雷となります。山では上からばかりでなく、横や下から来る事もあり、も し不幸にも遭遇したら、低いところに逃げます。必ず頭を下げてください。雷は高い所に落ちやすいため、高い木の下に非難する時は、枝から2m以上は離れてください。避雷針のある山小 屋や送電線の鉄塔が一番安全です。

 

雷雲の発達しやすい夏の午後には、行動を終了するようにする事が大事です。また、ラジオなどのノイズで接近を知る事ができます。山でゴロっと来たなら、すかさず下山してください。ちょっとの遅れが命取りになります。

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