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登山用具の選び方と使い方

山登りの道具には絶対必要な物、あれば便利な物・重いだけであまり必要の無い物があります。

余分な物は極力減らし(軽量化)、必要な物(安全性に関わる)は必ず持っていくようにします。

1. 絶対に必要な装備とは

 

登山靴(ソックス)、ザック、レインウェア、アンダーウェア、防寒着、水筒(水)、食料、地図またはガイドブック、コンパス、ライト、非常用品

2. 登山靴とソックス

 

良い登山靴とはどんな靴でしょう?

それはあなたの足によくフィットし、行く山、山行のスタイルにあっている靴です。値段の高い靴、作りのいい靴でも足に合っていなければ山の楽しみを痛いもの苦しいものに変えてしまう悪い靴でしかありません。

ソックスはその靴と足の仲立ちをし、フィットを助けてくれる大切な道具です。

(登山靴に求められる機能)

① 不整地歩行の様々な危険から身を守る。(捻挫防止、転倒・スリップ防止)

② 疲労を軽減する(体力を維持する)

③ 雨や水場で水から足を守る。

④ 寒い時は寒さから足を守る。

(靴選びの条件)

ポイント1  足にあった靴を選ぶ(試着する)

ポイント2  用途(山行のスタイル)にあった靴を選        ぶ。ハイキング用なのか冬山用なのか        など。

ポイント3  重さ(軽い方がいいが重い理由がある)

ポイント4  デザインと値段は最後(やっぱり格好 い       い靴が欲しい)

(靴紐の絞め方)

ポイント1 まずかかとに足をしっかりつけてから紐                    を締める(かかとをコンコンする)

ポイント2 爪先から甲の部分をしっかり絞める

ポイント3 アイフックは紐を上から掛ける

ポイント4 アイフックのない靴は仮結びをする

ポイント5 登りでは足首は少し緩め、下りではし                      っかり締める(途中で締めなおしが必要)

ポイント6 Dリングは上に引っ張らない(横の力に                    は強いが上に引くと弱い)

(登山靴のサイズの合わせ方)

靴紐をゆるめ、爪先があたるところまで入れて踵に指1本入るサイズが一応の目安です。

ポイント1  爪先に余裕があり指が動かせる

ポイント2  登りで踵が浮かないこと

ポイント3  下りで足が前にずれないこと

ポイント4  横に荷重をかけてずれないこと

ポイント5  部分的に違和感のある個所がないこと

※試し履きは納得のいくまで何足でも履いてみる(試着を嫌がるお店は×)

※ 靴には縦のサイズと横のサイズ(EEとか3E)がある

※甲の高さも人それぞれ

ソックスの選び方)

コットンのソックスはダメです。コットンのソックスは汗で濡れたとき足をふやけさせ、靴擦れを起こしやすくします。山では夏もウールのソックスを(化繊100%のものでもよいが蒸れやすい)

もちろん足首ソックスは、足首が靴に当たるのでダメです。

(登山靴のお手入れの仕方)

外側は水洗いしてOKですが、中を洗うのは避けて下さい。中が汚れてきた時はインソールを外して水洗いしましょう。

乾かす時は陰干しで、収納する時は風通しのいい温度変化の少ない所へ収納します。

☆ワンポイントアドバイス☆

山に行くと、時々足先の爪が真っ黒になる人がいます。その人が言うには「靴が小さくて爪が痛い」と言ますが、実は大きすぎて下りに足が前に滑って、爪に当たっている事がほとんどです。試着の時は、下りに足が前に行かないかしっかり確認しましょう。

3. ザック

(ザックに求められる機能)

① 必要な荷物を収納し運ぶ

② 荷物の荷重負担による疲労を軽減する

③ 必要な時に必要なものが取り出しやすい

(ザックのサイズと容量について)

男性用と女性用の違いや体型によって合わないザックがあります。フィットしないザックは疲労が大きくなります。ザックの容量は、山登り教室では25~30Lぐらいが必要です。

(疲れないパッキング(荷物のつめ方)と背負い方)

ポイント1 肩甲骨付近に重心がくるようにパッキングする

ポイント2   重いものは体に一番近いところの上のほうに入れる

ポイント3 コンプレッション(つぶす)機能を有効に使う

ポイント4  軽い物は下の背中から遠い所に入れる

ポイント5  ベルト類は所定の位置でしっかり締める

重いものは青のラインで重心をとって

軽いものは黒いラインで重心を取りましょう。

☆ワンポイントアドバイス☆

登山用のザックのストラップは片手で簡単に締めたり緩めることができます。担いだり、降ろしたりする時は緩めて楽に作業しましょう。休憩する時は、ザックを降ろして楽な姿勢をとることをお勧めします。

ザックのパッキング(重心)の良し悪しで疲労度がぜんぜん違います。少しでも楽しようと思うならしっかりパッキングしましょう。

4. ウェアと雨具

(中間着の選び方)   

シャツは、速乾性と保温性の兼ね合いを季節に合わせて選びましょう。防寒着は、 軽くて暖かいフリースが主流で、洗濯もしやすいです。

(アンダーウェアの選び方)

汗の吸収、拡散が速く、直ぐ乾く素材を選びましょう。コットンは×。

(ズボンの選び方)

動きやすく汗や濡れた時に乾きの早いものを選びましょう。ジャージでもOKです。

(雨具の選び方)

防水機能と透湿機能を併せ持つ素材を選びましょう。良い雨具は、ウィンドブレーカー、防寒着を兼ねることができます。雨が降ったら登らないという人も雨具は良いものを選びましょう。 登山用雨具は結構高価(2万円前後)ですが、悪天候になった時最初に体を守る防波堤になります。時として生死の分かれ目となることもあります。

(雨具のお手入れの仕方)

できるだけ洗濯しないように、少し汚れたぐらいなら吊り下げてシャワーをかける方法もあります。洗濯する時は、中性洗剤で手洗いした後、陰干しし、収納する時は、袋に入れず、ハンガーにぶら下げましょう。

撥水効果が落ちてきた時は、防水スプレーをかけて、低温アイロンをかけると新品のように復活します(5年位経つと防水効果が落ちてきます)

☆ワンポイントアドバイス☆

服の組み合わせは、登り始めはちょっと寒いぐらいにしておき、最初の休憩で調整(脱いだり)しましょう。

大休止、昼食時(着る)の保温を考えて防寒着を用意しましょう。

5. その他の道具(必需品)

〇水筒

標準は1Lぐらいで、水場の有無、季節・天候で必要量が変わります。こまめに飲めるように行動中に飲 むものは腰に、メインの水筒はザックの中に準備しておきましょう。メインの水筒は折りたためるものが便利です(ペットボトルも有効)。

 

〇ヘッドランプ

日帰りでもライトを持つようにしましょう(非常時への備え)電池は寒さに強く自己放電の少ないリチウム電池を入れておきましょう。 両手が空くヘッドランプは山以外でも緊急時や作業に有効です。

 

〇地図・コンパス

使えないと意味が無いので登山教室などで勉強しましょう。それまではとりあえずガイド ブックを参考に。無いという事はライトを消して車の運転してるようなものです。

 

〇非常食

行動食(歩きながら食べられるもの)で保存が利くもの、火を入れなくても食べれる物が原則です。ザックに入れっぱなしでいつまでも残る事があるので注意しましょう。

6. あれば便利な物

〇帽子

コンパクトにたためるもの、晴雨両用のレインハットが便利です。首筋をカバーするものは日焼けによる疲労を 軽減します。夏は必需品です。風で飛ばされないようにあご紐か帽子止めを使用しましょう。

 

〇手袋・

夏なら軍手でも良いですが、濡れた岩や草木を掴むことも多いので乾きの早い化繊か濡れても冷たくならないウールやシルクが良いです。レイングローブはオールシーズン活躍します。寒い時期の手袋は必需品です。

 

〇マグカップ

山頂での暖かい飲み物が美味しい!軽いチタンのダブルマグがお勧めです。

 

〇コンロ・コッフェル(鍋)

緊急時にも有効ですが、山に慣れてから買いましょう。それまでは、持っている人に使わせても らったらいいです。

 

〇ストック・ステッキ

転倒の予防と疲労軽減につながります。

 

〇スパッツ

靴に雨水が入りにくいし、雨具も汚れません。

 

〇魔法瓶

暑い季節は冷たい物を、寒い季節は温かい物を飲むことができます。

 

〇携帯電話

緊急時にとっても有効です。だたし、山頂や尾根では有効ですが、谷ではほとんど使えません。

 

バンダナ

タオルではかさばりますし、汚れても気にならないのがいいです

(色々な使用方法があります)

 

〇折りたたみ水筒

空になれば容量が少なくなります。量によって大きさを変える事ができるので便利です。

☆ワンポイントアドバイス☆

あれば便利な物は、直ぐにそろえる必要はありませんがとっても便利。人の使っているのを見ながら自分に必要な物をそろえましょう。また、家にあるものを代用して経費を押さえてもいいでしょう。

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